日本における断熱の歴史はそれほど長いとは言えません。
ヨーロッパなどの北欧に比べれば遅れて発達してきました。
断熱に関する考え方も国によってはそれぞれ独自のスタイルをもっています。
しかし、近年になって日本でも環境保護の観点から高気密高断熱、省エネルギーなどとともに注目されはじめました。
これからのエコロジーライフを考えて行く上では自然環境といかに適合していくかと言うことも考えていきたいところです。
そんな中でアメリカでは宇宙産業の中から超薄型高断熱材料リフレクティクスと呼ばれる材料が生まれました。
この材料の特徴は断熱材とは異なり熱を反射させる遮熱と言う方法を利用している点です。
建物の遮熱以外にも、保冷車、冷蔵庫、保水器、食品保存庫、暖房器具、床暖房システム、ダクト配管保温など多用途で利用されています。
夏の炎天下にいると、汗が吹き出るように息が詰まる思いをしますが、一旦木陰に入ることで涼しさを感じることがあると思います。
これは太陽の輻射熱が直接体に当たって熱を発しているからです。
木陰に入ることで木の葉が輻射熱を遮ってくれるので涼しく感じるようになるのです。
暑く感じるのは太陽の輻射熱が直接体に当たって熱を発しているからです。
この輻射熱を遮断できる素材として一番有効なものは金です。その次に銀、アルミの順番ですが、リフレクティクスはこのアルミを用いています。
アルミ合金では反射率が相当落ちるため純度の高いアルミニウムを使用しています。
実際にこのアルミ箔を通して部屋の天井にある蛍光灯を透かして見るとアルミ合金では薄っすら蛍光灯の光が見えますが、純度の高いアルミ箔では全く光が漏れてきませんでした。
断熱材も確かに熱を防ぐ材料ではありますが、基本的に熱を溜め込む一面をもっています。
遮熱材の考え方は熱を反射させることで熱の移動を抑制する点で大きく違います。
熱を遮断することで建物内部に熱を移動することを防いでいるのです。
もう一つのこの材料の特徴はリサイクル(再利用)ができると言うことです。
カタログには「100年経過後お家の解体時に捨てないように」と書かれています。
一般的な木造住宅であれば2世代分は活躍しそうです。
これからの建築を考えていく上で我々建築に携わる者としても熱に対する取り組み方が断熱時代から遮熱へと変遷していく可能性は充分に考えられる状況にあると思います。
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